CFOとは「Chief Financial Officer」の略で、日本語に訳すと「最高財務責任者」になります。CFOは「専門家」というイメージが比較的強いと思いますが、経営者=CEOの一面を併せ持ち、時には、経営者の右腕として経営に手腕を発揮するケースも増えてきております。
また、「守備的」なポジションだと思われがちですが、「攻めの経営」には欠かせない存在となります。「資金調達」と「財務・経理の健全化」の攻めと守りを求められるユーティリティプレーヤーであり、マネージャーなのです。
企業の成長に、なくてはならないCFOをいかに獲得し、育てていくか。経営者の最大の任務かもしれません。
CFOは、CEOのパートナー
- 一橋大学大学院の伊藤邦雄教授はCFO=「正統なる二重人格者」と表現されています。「専門家」⇔「経営者」、「守備」⇔「攻撃」の2つの軸を持ち合わせていると言われています。
- 縦軸が、「経営」←→「専門家」軸。横軸が、「攻撃」と「守備」軸。
- さらに、公務員と女性が多い病院関係を除くと、上場企業などを全てを含め2%程度と言われています。
- 中小企業のCEOは、右上の事象に当てはまり、CFOを兼ねているケースが多いように思います。
- 大企業では、これら4事象に一人ずつ適任者を置いて、経営をサポートしていますが、中小企業になると、一人で、4つの事象を渡り歩いてサポートする一人四役となるケースがあります。
- CEOの大きな役割は、「企業の持続的成長」 を担い続けるのですが、CFOは、資金面で企業の成長を下支えするだけでなく、CEOと共に考え続けることが求められています。
CEOとCFOの役割は、円を描くと完全に分かれているものではなくて、部分的に重なっています。役割が重なっていて、異なるのは得意分野のウェイトだけ。CEOとCFOは全く異なるものではないのです。企業経営にとって、資金調達・財務・経理は、欠かせない要素です。そのために、多くのCEOは、本当に必要なCFOを探し求めている現状があります。
CFOの変遷
- 1970年代から90年ぐらいまでは、銀行は、企業の資産を担保にとって貸していた時代。銀行との信頼関係があれば、資金の心配をする必要がなく成長できていた。つまり、CFOは、あまり必要とされていなかった。
- 他社から経営についてチェックされずに、経営ができていた。
- 90年代以降は、バブルがはじけ、銀行からお金を借りることが簡単ではなくなってきました。銀行と企業がもっとコミュニケーションをとって、健全に資金を集める必要が出てきました。
- 銀行からの資金調達ではない新しい種類の資金調達をする必要が出てきた。つまり、資本市場相手に資金調達が必要になってきたということである。つまり、財務諸表などの財務専門ツールを利用したコミュニケーションが必要となり、CFOの重要性が増してきました。
CEOが、CFOを兼ねるのは、現実的に難しい。特に、会社規模が大きくなれば、分業することが必要となってきます。CEOとCFOは、まさに、企業経営の両輪となって走っていかなければ成長はありえなくなりました。なかなか、企業内で、教育して育てていく体制が取れないケースが多く、優秀な人材を外部から採用することは珍しくありません。また、優秀なCFOは、企業を渡り歩くこともよく聞かれるようになりました。
CFOに求められる能力
- 大企業のCFOは、持続的成長のためのポートフォリオ管理と言われています。「どの事業」に「いつ」「いくら」資金を充てるのか、そして、当てた資金の返済やリターンの管理を行っていきます。
- 中堅、中小企業のCFOは、市場や銀行から信用・信頼をもらい続けるコミュニケーション能力と言われています。信用・信頼を得た上で、実際に資金を調達してくることが求められます。
- いずれにせよ、CEOとは、綿密なヒューマンコミュニケーション能力が求められます。上記のような財務手腕が優れていても、CEOとのコミュニケーションがうまく取れないと、会社の両輪は回りませんし、相性が悪ければ、クビを切られてしまうのは、CFOになってしまいます。
現在のベンチャー企業や中堅・中小企業では、まず、優秀なCFOから探すことが多いのです。つまり、CFOには、財務リテラシーと経営管理リテラシーを併せ持つリーダーシップ人材として考えられています。企業の成長するために、ますます、CFOの重要性が高く認識されていくでしょう。
CFOに求められるスキル
- 大企日本国内では依然としてバイリンガルの経験豊富な財務・経理プロフェッショナルの慢性的な不足が続いています。
- 特に需要が高いのが、バイリンガルであることに加え、以下のような資格や専門分野での実務経験を持つ経験者です。
- CPA有資格者
- 日本の企業会計原則(日本版GAAP)もしくはUSGAAPの実務経験
- SAP導入に伴う統計的工程管理の経験
- アセットマネジメントに関する専門知識
財務・経理に対する専門知識と経験、そして、英語のコミュニケーション能力が、大企業を中心としたグローバル企業ののCFOには、求められてきています。しかし、一方、候補者側の視点から見てみると、将来的なキャリアアップを見据えて、履歴書や職務経歴書の見た目でインパクトを与えやすい会社で働きたいと考えており、大手外資系企業やスタートアップ企業、給与水準が高いとされるコンサルティング会社の人気が高く、転職を一つの手段として考えるている傾向が見受けられます。
財務・経理職 年収データ
- 財務経理職年代別平均年収
経理財務の平均年収は【562万円】
(株)MS-Japanのサービスにご登録頂いた経理財務経験のある方々のデータ(2015年データ)
- 経理財務職の年代別年収分布
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(株)MS-Japanのサービスにご登録頂いた経理財務経験のある方々のデータ(2015年データ)
平均年収以上の報酬を頂いている方の特徴は、会計士・税理士といった有資格者や、経理財務に加えて経営企画などより経営に近い分野にまで携わられていることが挙げられます。年代が上がるにつれて、部長・次長職、CFOなどの役職に就かれる方が多く、平均年収を上げている要因となっています。若いうちに、資格を取得したり、ベンチャー企業への転職などで早期に管理職に就かれる傾向が高いと思われます。
財務・経理職 関連資格
- 日商簿記検定試験
- 主催:日本商工会議所
- 1級〜3級、初級があり、企業で求められるのは2級以上が多い。
- 2級の試験科目は商業簿記と工業簿記で合格率は20%前後、1級は商業簿記と工業簿記に加え、会計学と原価計算の出題があり、合格率は10%前後。合格すると税理士試験の受験資格が取得できます。
- 給与計算検定
- 主催:一般財団法人職業機能振興会
- 1級と2級があり、2年ごとに更新する必要があります。
- 会社で必ず行う給与計算の基本から、社会保険、労働に関する法令、所得税、住民税などの実用的な知識を学ぶ事ができます。
- 給与計算実務能力検定試験
- 主催:一般社団法人実務能力開発支援協会
- 1級と2級があり、給与計算に関する基礎知識や法令の知識が問われます。
- 1合格率は60〜70%前後で、2年ごとに更新する必要があります。
- 経理・財務スキル検定(FASS検定)
- 主催:一般社団法人日本CFO協会
- 2005年から始まった検定試験
- 資産、決算、税務、資金の分野から出題されます。
- スコアによりレベルA〜Eの5段階で評価されます。
- FP技能検定
- 主催:特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
- 国家検定の一つ
- 1〜3級まであります。 1級FP技能士などを名乗ることができます。
- 年金や保険、金融資産、税制や不動産に関する知識が問われます。
- 国際会計検定(BATIC)
- 主催:東京商工会議所
- 問題文はすべて英語
- 必須科目の英文簿記と、任意科目の国際会計理論の2つの試験科目があります。
- スコアにより4つのレベルに認定されます。
- IFRS検定
- 主催:ICAEW(ロンドンが拠点の会計士協会)
- IFRS(国際財務報告基準)の理解や知識を習得するための英文経理の検定
- 世界基準での経営管理への統一、海外での取引や事業展開、海外での資金調達や海外の投資家への対応の円滑化など経営のグローバル化に大きく役立ちます。
- 公認会計士
- 主催:金融庁の公認会計士・監査審査会
- 会社の経営や会計の調査、財務諸表など会計に関する監査、財務業務、経理業務、会計に関する助言や経営コンサルティングなど会計に関する業務を多岐わたって専門的に行う国家資格
- 税理士
- 主催:国税庁
- 税金の申告や納付、財務書類の作成、各種会計帳簿の記帳、税務相談など税務に関する専門業務を行う国家資格
- 税に関する法律のスペシャリスト
経理では、会計帳簿の記帳、社員の給与計算、決算業務など会社のお金を日常的に管理を行っています。 業務の性格上、数字の正確性や専門的な知識を求められやすいですし、ビジネスがグローバル化している今、経理業務の土台となっている会計処理も国際基準で行うことが必要など、求められることが多くなりました。
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- 03−3221−3481
参考・引用
・次世代リーダー・経営者の輩出を目指すNEXT CEOメディアの役割 (next-cfo.jp)
・ヘイズインサイドストーリー:日本の財務・経理人材市場の現状 (hays.co.jp)
・2015年の経理財務の年収調査を実施! 平均年収は562万円 (jmsc.co.jp)
・経理であると役立つおすすめの資格まとめ (keiri-soumu.jp)