不動産業界に属する企業には、不動産の企画・開発や土地や物件の流通(売買・賃貸)、不動産の管理など様々な業務があります。その中でデベロッパーが担うのは、不動産の企画・開発です。
デベロッパーの役割は、ずばり「街づくり」です。土地を活性化させるためにはどのような建物を建てれば良いのかを企画。その企画を元に、マンションや商業施設、オフィスビルを建てます。また、「建てて終わり」ではなく、人・コミュニティを含めた場づくりもデベロッパーが果たす役割です。
デベロッパーの役割
- ハード面の街づくり
- 「ハード面」とは建物やそれに付属する物理的な空間のことを指します。建物そのものや、建物に備えられた機能のことです。
- タワーマンションを例にとってみましょう。タワーマンションそのものはもちろん、タワーマンションの共用部にある広場や備え付けのスポーツジム等の物的機能もハード面です。
- デベロッパーは、上記のようなハード面の開発を行っています。
- ソフト面の街づくり
- 建物やそれに付随する物的機能に対して、それらに付加価値を与える機能を「ソフト面」と呼びます。
- デベロッパーの街づくりにおいて欠かせないのがソフト面。ソフト面はその建物に入居する人・企業のためのものだけではなく、周りの地域住民や土地の利用者も巻き込んだ価値を提供します。
- 先ほどと同じく、タワーマンションを例にとってみましょう。タワーマンションに設けられている誰でも使える広場。この広場を利用し、イベントを開催します。そのイベントには住居人だけではなく周辺の住民の参加を促し、それによって地域のコミュニティ形成を促進させます。
- ハードの価値を高めるために企画の実施も、デベロッパーの役割なのです。
デベロッパーのビジネスモデル
- 建築した建物の売却料
建築した建物の売却料。代表的な例として挙げられるのは、分譲の住宅マンションです。マンションを建てて、その部屋を個人のお客様に購入してもらうことで収益をあげます。
- 建物利用に際する賃貸料
もう1つは、建物利用に際する賃貸料。オフィスビルを例に挙げるとイメージしやすいでしょう。デベロッパーはオフィスビルを立てると、そのビルのフロアに企業を誘致します。企業が誘致できたら、その利用賃料によって継続的に収益をあげます。
デベロッパーの種類
- 総合デベロッパー
- オフィスビルや商業施設、ホテル・リゾート、住宅マンションなど総合的に開発を行い、大規模な街づくりを行っているデベロッパーを総合デベロッパーと呼びます。
街づくりの全てに関われるのが総合デベロッパーの魅力と言えるでしょう。
- 総合デベロッパーには、三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産、野村不動産、森ビルなどが挙げられます。
- 専門デベロッパー
- 総合デベロッパーに対し、ある特定の事業に注力して行なっているデベロッパーのことを専門デベロッパーと呼びます。例えば、マンションや一戸建てといった住宅を専門的に扱う住宅デベロッパー、鉄道沿線の土地開発を行う鉄道系不動産会社があります。特定の事業に特化しているため、自身のやりたいことが決まっている場合は専門デベロッパーが良いかもしれません。
- 専門デベロッパーには、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、京急不動産などが挙げられます。
デベロッパーの仕事内容
- 事業用地取得
- 事業用地取得の仕事は、文字通り用地を取得すること。不動産開発事業の業務のなかで川上にあたる仕事です全ての開発プロジェクトは土地がなければ始まりません。用地取得は、不動産開発のスタート地点と言えるでしょう。
- まず取り組むのは、立地認識。立地認識とは、土地の情報収集のことで、その土地の歴史調査やマーケティング調査・分析を行うことです。これらを行い、その土地の価値を向上させるプロジェクトの企画を作ります。
- プロジェクトの企画ができた後に取り組むのは、土地の所有者に対する売買の提案。他の競合デベロッパーも交渉を行っているケースが多数であるため、地権者や情報提供者と信頼構築ができなければいけません。
- 事業企画
- 晴れて土地を手に入れることができたら、事業企画に移ります。事業企画とは、立地の調査をし、その土地に求められている空間のコンセプトを考えること、プロジェクトの内容をより明確にしていく工程と捉えるとわかりやすいでしょう。
- コンセプトが決まったら、それを実現するための設計図の作成や外観のデザインを考えていきます。これらは、設計士やデザイナーといった専門家と協力して作り上げるのが一般的。設計ができ上がれば、実際の建築業務はゼネコンに委託し、工事をお願いします。
- ここでのデベロッパーの役割は、ゼネコンの工事等のプロジェクトの進捗管理です。
- 営業
- 営業では、完成する物件にどのようなテナントに入居してもらうのかを考え、テナント誘致を行います。
- 例えば、住宅開発(戸建、マンション)であれば、どのような人・家族に購入してもらうか、販売計画を担当、モデルルームの作成や広告業務までを担います。
デベロッパーとゼネコンとの違い
- 「施設別」に見た放射線技師の需要の実態
- ゼネコンとは「総合建設会社」のことを指します。平たく言うと、不動産を「造る側」の企業であり、「建築を請け負う」ことが仕事になります。
- たとえば、マンションを1棟建築するとします。マンション1棟建築するときには、コンクリートを流し込む業者や、外装を作る業者、そして電気関係の業者や内装関係業者など色々な業者が携わっています。それらを取りまとめているのが「ゼネコン」と言われる総合建設会社なのです。
- そのため、デベロッパーとゼネコンは「パートナー」のような関係になります。
- デベロッパーが土地を購入して、その土地をどのように「開発」するかを考えます。そして、その開発内容を図面に落とし、図面に落としたことを実行して建築する部隊がゼネコンになるのです。
- 関係性としてはクライアントが「デベロッパー」で、下請け会社が「ゼネコン」という構図になります。
- しかし、特に大手のゼネコンはデベロッパーと「共に」開発をしていくことも多いです。事実、デベロッパーとゼネコンは共同事業を行い、一緒に事業者として土地を開発することもあります。
事業の多角化
- デベロッパーが、バブル崩壊の時期に生き残りをかけて「事業の多角化」を行ってきました。
- 例えば、以下領域が挙げられます。
賃貸事業/不動産販売/ホテル事業/ショッピング事業/レジャー事業/海外事業/設計管理事業/地域冷暖房事業
- 技術革新による変化/開発用地不足による事業構想の変化/ライフスタイルの変化 等を要因として、デベロッパーが事業の多角化を選択してきました。
- デベロッパーは人々の暮らしを支えるという意味において、究極のインフラ事業です。だからこそ、社会の変化に合わせ、時代に合った形で事業を展開していくことがデベロッパーには求められます。
- 建物を売る仕事から、企画を売る仕事へ変化が求められています。
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参考・引用
・デベロッパーとは?-仕事内容や今後の動向を理解しよう(matcher.jp)
・デベロッパーとは何か?ゼネコンとの違い、その仕事内容を解説(mansion-market.com)
・【業界研究:デベロッパー】三井不動産・三菱地所・住友不動産・東急不動産・野村不動産・森ビルの違いとは!(onecareer.jp)