技術者であり、なおかつ相談役というのが「技術顧問」の意味するところです。 具体的には、会社などの組織に外部から参画し、専門的技術のアドバイスやエンジニアへの指導を行う技術者を指します。ミッションは大きく分けて2種類に分かれ、上記の通りコードレビューやエンジニアリング力向上のための伴走を求められる場合と、技術戦略立案を求められる場合があります。
多くの場合、卓越したスキルと技術的指導力を備えた人材を抱えていない会社が、必要に応じて外部から招聘することによって成立します。いわば外部アドバイザーのため、その会社には所属せずに一定期間の顧問契約を結ぶスタイルが一般的で、多くが複数の会社を掛け持ちしています。もちろん、常勤が必要となるケースでは雇用契約を結ぶこともあります。
技術顧問とCTOの違いは、「外部から参画した技術面のアドバイザー」か、「内部から選ばれた技術責任者のトップ」かだと言えます。
技術顧問が必要とされる背景
- もともとは、エンジニアとしてもっとも高い技術力を有した人材が技術職のトップに立つべきだという価値観のもと、社内でもっとも優秀なエンジニアが、CTOやそれに近しいポジションに就任するというケースがほとんどでした。
- 近年では、自社にCTOを務められる人材がいないスタートアップなどの若い組織を中心に、大手企業の元CTOや、技術力と経験を備えたエンジニアが技術顧問に就任するというケースが増えてきました。
- 社会との関係の変化に応じて企業が柔軟に対応を変えている姿勢や、求められたことに真摯に対応しているかが技術顧問そのものと言えます。
- 新規事業の立ち上げ時などにおいては、社内が専門的技術に乏しくても、期間契約で外部からアドバイザーとして招聘する技術顧問が注目されています。
- 技術顧問であれば外注でき、なおかつ、社内教育も進められるとあれば、企業側にとってその利便性は非常に有用とされつつあります。
技術顧問の役割
- 組織強化
技術顧問には、組織をどのように編成していくのか、また、社内規定について、相談と助言をする役割があります。そして、組織としての方向性が固まれば、どのような人材をどう採用するか、組織が確立すれば、組織内エンジニアの評価基準などのアドバイスを求めることもできます。
- プロダクトの品質向上
プロダクトの品質向上は、技術アドバイザーとして欠かせない役割です。会社として利益を生み出すためには、強化した組織のもと、プロダクトの品質向上を推し進めていかねばなりません。そのための的確なアドバイスこそ、技術顧問に求められるもっとも重要な役割の一つであると言ってもいいでしょう。
組織内の各エンジニアに対して技術指導し、エンジニア全体のスキルを高めることも、プロダクト品質の向上に欠かせません。技術的部分だけでなく、社内のエンジニア教育も技術顧問が担う重要な役割とされています。
技術顧問を活用するメリット
- 必要に応じて外注できる
新規事業をスタートさせるときなど、専門技術に関する知見が必要になった場合に、必要なタイミング・期間で契約できるという点です。特にベンチャー企業の場合は、社内で賄えない新しい知見が必要になることが往々にしてあります。そういったケースにおいて、必要なタイミングに外部から技術アドバイザーを得られることは大きなメリットだと言えます。
- 客観的なアドバイスを受けられる
外部からの参画であるため、社内の政治的事情にとらわれず客観性の高いアドバイスが期待できるという点です。役職としては技術顧問と同様のCTOの場合、社内政治に長けているほど、自社を客観的に見ることが難しくなりがち。社内の事情に詳しくない外部の人間だからこそ、より客観的なアドバイスが可能で、その客観性は大きな利点となります。
- 社員のスキル向上が図れる
技術顧問の指導により社員のスキル向上が期待できるという点です。社内では十分でない専門技術と知識を社内にもたらすことも、技術顧問の役割の一つ。さらに、高いスキルと経験を備えた外部のエンジニアが社員教育に携わるわけですから、現時点での社員スキルを客観的に判断したうえでの技術指導となります。技術・知識にとどまらない、全体的なスキル向上が図れれば、企業力の大幅アップもあり得ます。
- 事業拡大につながる可能性
厚い人脈をもった技術顧問を迎えることができれば、事業拡大につながる可能性もあります。国内外問わず、ビジネス経験が豊富な人物が技術顧問となれば、会社に新鮮な人脈とネットワークを与えてくれることが期待できます。
技術顧問を活用するデメリット
- 契約期間中に契約が解除される可能性がある
委任契約では、各当事者がいつでもその契約を解除できることが、民法651条によって規定されています(ただし、場合によっては損害賠償の請求が可能)。
契約期間中であっても、技術顧問の意向によって、その契約を突如打ち切られる可能性を排除できないのはデメリットと言えるでしょう。そのような事態を避けるには、信頼関係を築きながら仕事を進めることが大切です。
- 技術顧問の人選を誤ると大きな痛手を被る可能性がある
技術顧問が有能であるかに加え、自社の事業に参画してもらうわけですから、社内風土にマッチするか、期待する支援を得られるかなど、採用の際には、適した人材であるかどうかをさまざまな角度から見極める必要があります。技術顧問を任せられるアドバイザーなのか、慎重に判断しなければいけません。
スタートアップ時の技術顧問への依頼内容例
- 会社のスタートアップ時に、技術顧問に期待すること・依頼していることの例です。どのようなことを技術顧問に対して期待しているのか、なぜ、技術顧問なのかを理解するためのヒントです。
- 採用支援
- 面談の同席
- 自社エンジニアの技術的相談に対する返信
- インターネット上での顧問表記
- エンジニアリング用資料のフィードバックや採用技術の相談
- 月に1度ぐらいご飯食べながらエンジニアや技術動向、現在の課題などを共有し、指導、指示してもらう。
などなど...
エンジニアの仕事環境を整えるために、第三者としての指摘をもらえることが大きな狙いかもしれません。また、具体的な技術関連の相談ができることも大きな要素でしょう。
顧問・相談役エキスパートエグゼクティブサーチ はこちら...
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- 03-3221-3481
参考・引用
・技術顧問を外注する際の確認ポイントは?技術顧問が会社に与える効果・報酬を事例に基づきご紹介(profuku.com)
・おもしろwebサービス開発日記(blog.willnet.in)