技術士(Professional Engineer)は、旧技術士法(昭和32年(1957年)法律第124号)を全面的に改正し新たに定められた技術士法(昭和58年(1983年)4月27日法律第25号)に基づく日本の国家資格であり、有資格者は技術士の称号を使用し登録した技術部門の技術業務を行える。技術士は、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある最高位の国家資格であり[1]、この資格を取得した者は、科学技術に関する高度な知識、応用能力および高い技術者倫理を備えていることを国家によって認定されたことになる。
技術士補(Associate Professional Engineer)は、将来技術士となる人材の育成を目的とする、技術士法に基づく日本の国家資格である。有資格者は技術士の指導の下で、技術士補の称号を使用して、技術士を補佐する技術業務を行える。
技術士とは
- 「技術士」は、産業経済、社会生活の科学技術に関するほぼ全ての分野(21の技術部門)をカバーし、先進的な活動から身近な生活にまで関わっています。
- 「技術士」は、国によって科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者で、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある国家資格です。
- 「技術士」は、「技術士法」により高い技術者倫理を備え、継続的な資質向上に努めることが責務となっています。
技術士制度は、「科学技術に関する技術的専門知識と高等の専門的応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた、優れた技術者の育成」を図るための国による資格認定制度(文部科学省所管)です。
技術士になるには
- 技術士制度の主旨
- 技術士制度は、「科学技術に関する技術的専門知識と高等の専門的応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた、優れた技術者の育成」を図るための国による資格認定制度(文部科学省所管)です。
- 科学技術に関する高度な知識と応用能力及び技術者倫理を備えている有能な技術者に技術士の資格を与え、有資格者のみに技術士の名称の使用を認めることにより、技術士に対する社会の認識と関心を高め、科学技術の発展を図ることとしています。
- 技術士試験の概要
技術士は科学技術の分野のスペシャリストです。技術士は、科学技術に関する技術的な専門知識と口頭の専門的な応用能力および、豊富な実務経験を有していることが認定された資格です。技術士という資格によって高技術者倫理を備えた技術者であることを認め、公益性を確保するために定めた文科省所管の資格認定制度です。
技術コンサルタント
- 技術コンサルタントとは、機械分野や電気分野、環境、建設、不動産、ITなどの技術方面で一定の内容について相談、助言、指導、調査、提案を行う職能のある専門家、もしくは専門家の集合体(法人)、技術分野でのコンサルティング活動を行うコンサルタントのこと。
- 技術コンサルタントは技術的解決が必要とする顧客(一般には対する顧客は一般には国や自治体、または企業)の意思や意向、戦略と戦術といった事項に際して、的確な技術的解決手法や助言などを与えるべく豊富な実務経験と専門知識とをもつ専門家および専門家集団で、元来技術者・エンジニアである。エンジニアの区分としてはコンサルティングエンジニアと呼ばれる。
- 実際には建設コンサルタント、建築コンサルタント、機械や電気分野・情報通信分野のコンサルタント、環境コンサルタント、各種設備技術のコンサルタント、農林水産技術分野のコンサルタントなどさまざまなジャンルがあり、技術コンサルタント会社に所属し、案件ごとに依頼を受託されるのが一般的だが企業に専属で雇用されている場合や派遣形式などの場合もある。また、個人でオフィスを主宰、事業活動を展開する者も多い。
- 幅広く業界や商品に対する知識に研究開発から生産までと、一連の技術開発の流れを理解会得し、流通状況の把握やコスト意識をもつ経営感覚、助言を的確に行えるコミュニケーションに関する能力といった、技術関係の技能だけに留まらない、総合的能力が求められていく。
- 建設関連のコンサルタントでは技術士のほかにさらに、建築士、不動産鑑定士、あるいは会計等の国家資格、民間資格である再開発コーディネーター等を有する場合が多い。
- 中立・公共な立場で対処することである。メーカーや商社からは完全に中立であって、依頼者の立場で、依頼者が利益になるように業務を行い、また機密保持にも万全を期する必要がある。
技術士は、高度の技術と守秘義務を課せられた高い倫理性を併せ持つ国家資格者であり、その資格の性格から、公共の福祉、健康及び安全の維持と向上の観点に立ち、依頼者の求める調査や分析、提案と意見および具申を行うことを求められる。
技術士の業務内容
- 技術士、技術コンサルタントは、おおまかには、以下のような業務を行う。
- 顧客に対する技術支援、助言、技術の予測・評価、そのほかの技術に関する調査解析、監査など
- 経営及び技術相談 : 事業転換判断、技術移転、関連ノウハウの提供
- 生産システムの改善
- 新技術・新製品などの技術開発指導 : 自他分野交流さらに企業化、用途開発の支援
- 技術近代化・生産性向上指導 : 省力化、省エネルギー、先端技術導入
- 環境保全、ISOなど取得支援
- 地域開発・産業振興事業の技術支援
- 保守監理、メンテナンス関連業務
- 技術に関する能力評価、鑑定評価、各種公共施設、設備にかかる技術鑑定
- 安全・防災に配慮した技術の立案や適正指導
- 資源再利用、環境配慮および改善など
- 計画・設計・管理 : 工場、施設および設備等の計画・設計など
- 技術講演・講習 : 新技術紹介、解説、指導教育
施主ユーザーと制作者・製造業・施工者の間にあって, 良質な作品を高正な価格で生産させる機能をもっている。したがって、第三者的な公正さと技術をしょってたつ独立した職業であると同時に個性と事務所の特性が求められる。
具体的には業務の発注者と受注者の相互責任のうえに立って, 守秘業務などを厳守しつつコンサルタントとしての業務を実施することとなる。
技術士の年収
- 技術士(男性)の年齢別年収推移
技術士(男性)の年齢別年収推移(クリックして拡大)
(参照:厚生労働省 2017年賃金構造基本統計調査)
- 技術士(女性)の年齢別年収推移
技術士(男性)の年齢別年収推移(クリックして拡大)
(参照:厚生労働省 2017年賃金構造基本統計調査)
- 技術士の男女比
技術士の男女比(クリックして拡大)
(参照:厚生労働省 2017年賃金構造基本統計調査)
2017年の技術士の平均年収は572万4000円でした。
(平均月収:38万8500円 ボーナス:106万2000円)
男性:582万2400円(平均月収:39万4700円 ボーナス:108万6000円)
女性:431万5700円(平均月収:29万9700円 ボーナス:71万9300円)
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)
- 技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)について、科学技術・学術審議会は、国際エンジニアリング連合(IEA)の「専門職としての知識・能力」(プロフェッショナル・コンピテンシー、PC)を踏まえながら、以下の通り、キーワードを挙げて示しています。
- 専門的学識
- 技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
- 技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。
- 問題解決
- 業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
- 複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。
- マネジメント
- 業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期 及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、
プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現 性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の
資源を配分すること。
- 評価
- 業業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。
- コミュニケーション
- 業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアント やユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
- 海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加 え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
- リーダーシップ
- 業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を 調整し取りまとめることに努めること。
- 海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者ととも に、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。
- 技術者倫理
- 業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、 文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続
性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行 動すること。
- 業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
- 業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの 責任を負うこと。
技術の高度化、統合化等に伴い、技術者に求められる資質能力はますます高度化、 多様化しています。 これらの者が業務を履行するために、技術ごとの専門的な業務の性格・内容、業
務上の立場は様々であるものの、(遅くとも)35歳程度の技術者が、技術士資格 の取得を通じて、実務経験に基づく専門的学識及び高等の専門的応用能力を有し、
かつ、豊かな創造性を持って複合的な問題を明確にして解決できる技術者(技術士) として活躍することが期待されています。
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- 03-3221-3481
参考・引用
・技術士(ja.wikipedia.org)
・技術士 Professional Engineer とは(engineer.or.jp)
・データでみる技術士(j-smeca.jp)
・技術コンサルタント(ja.wikipedia.org)
・技術士の年収(nenshuu.net)