平成29年3月28日に働き方改革実現会議において決定された「働き方改革実行計画」では、多様な選考・採用機会の拡大に向け、転職者の受入れ促進のための指針の策定が掲げられております。厚生労働省は、平成30年3月、企業が転職・再就職者の受入れ促進のため取り組むことが望ましいと考えられる基本となるべき事項等を示した「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針」を策定しております。(詳細は、こちら)
企業側は、「人手不足の中で、事業承継や企業価値向上の担い手となる中核人材を求めたい」「産業・事業構造の劇的な変化の中で、必要な専門性等を持つ人材を速やかに採用したい」という機運。人材側は、「これまで培ってきた「職務遂行能力」や「専門性」を利用して、キャリアアップやキャリアチェンジを図りたい」という思い。その間に、国が入り、「企業・労働者双方のニーズを踏まえて、年齢にかかわりない円滑な転職・再就職を支援する」という立場を明確にしております。
年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針の概要(クリックして拡大)
シニア・ミドル層の推移と将来推計人口
シニア・ミドル層の推移と将来推計(クリックして拡大)
2017年時点の高齢化率(65歳以上人口割合)は27.7%、2065年には38.4%に達する。2022年から、団塊の世代(1947〜1949年生まれ)が75歳に入り始める。
シニア・ミドル層の就労希望年齢と希望する就労形態
シニア・ミドル層の就労希望年齢と希望する就労形態(クリックして拡大)
現行の高年齢者雇用安定法が定める雇用確保措置年齢である65歳(2025年到達)を超えて働きたいと回答した人が、3人に2人(65.9%)、「働けるうちはいつまでも」と回答している人が3割(29.5%)となっている。
高齢者の希望する就労形態は、男性はフルタイムとパートタイムの希望割合が4割(36-37%)で同程度であるのに対して、女性は7割(69.4%)がパートタイムを希望している。ニーズに応じた就労形態の多様化が課題。
企業のシニア・ミドル層の中途採用意向
企業のシニア・ミドル層の中途採用意向(クリックして拡大)
一度でも中高年者を採用したことのある企業のシニア・ミドル層に対する採用意向は高い(66%)が、採用経験がない企業では採用意向が低い(35%)。
シニア・ミドル層のトライアル雇用を進めることが課題。
中途採用したい理由と採用時に重視する点
シニア・ミドル層を中途採用したい理由(クリックして拡大)
シニア・ミドル層の採用時に重視する点 (複数回答の合計)(クリックして拡大)
解決したかった経営課題 (クリックして拡大)
(出展)人材サービス産業協議会 中高年ホワイトカラーの中途採用実態調査<企業編>
シニア・ミドル層の人材を獲得する狙いは、実務経験・専門性の高さである。即戦力化や新規事業への展開の推進役を期待している。その一方、採用時には、専門性やスキルの硬さよりも”人柄”を重視する傾向がある。
65歳以降の就労意向
65歳以降に、仕事をしたいか、仕事はしたくない(クリックして拡大)
65歳以降の仕事で重視したこと・重視したいこと (クリックして拡大)
(出展)ソニー生命保険株式会社 シニアの生活意識調査2017
65歳以降の就労意向があるシニアは3人に1人。体力的な負担が軽く、無理なく働ける仕事に就きたいと考えているシニアが多いようです。65歳以降の仕事選びにおいて、通勤時間は賃金よりも重視されるようになっています。
シニア・ミドル層の求人動向
シニア・ミドル層の求人募集が増加すると見込まれる「年齢層」(クリックして拡大)
シニア・ミドル層人材を対象とした求人募集が増えると見込まれる「業種」 (クリックして拡大)
シニア・ミドル層人材を対象とした求人募集が増えると見込まれる「職種」 (クリックして拡大)
シニア・ミドル層人材を対象とした求人募集が増えると見込まれる「企業タイプ」 (クリックして拡大)
シニア・ミドル層人材を対象とした求人募集が増えると見込まれる「ポジション」(クリックして拡大)
シニア・ミドル層人材を対象とした求人募集が減少すると見込まれる「年収帯」(クリックして拡大)
シニア・ミドル層人材の転職者に対して「採用企業が求めるスキル」 (クリックして拡大)
(出展)enミドルの転職 2018年の転職市場予測「ミドル人材の求人動向」について
若手人材の採用難や事業拡大に伴う即戦力人材の需要増の影響を受け、企業が求めるミドルの年齢層が上へと広がりを見せているようです。特徴的なのが、「プレイングマネージャー」が求められているということ。『企業側が早期の結果を求めており、数字構築や現場で対応できる方の採用を求めている』、『マネジメント層とはいえ、実務能力の高さが重要』など、管理能力だけではなく業務遂行力も併せて実効性を求めているようです。
シニア・ミドル層人材の活用について
- 高年齢者雇用安定法によるシニア世代の雇用義務
- 2006年に「高年齢者雇用安定法」が施行に改訂され、企業は60歳以上の従業員に対し、定年を廃止するか、定年を65歳まで引き上げか、希望者には再雇用や勤務延長といった継続雇用措置を採るか、いずれかの実施を義務付けられました。
- 2013年に改正され、希望者に対する65歳までの雇用が義務化されました。
- 希望者全員が65歳を過ぎても働ける企業の割合は74.1%に、その中でも70歳以上まで働ける企業は21.2%に達しています。
- シニア人材を活用するメリット
- 人件費や採用コストの削減
- 若手社員の育成
- フルタイムにこだわらない
- シニア・ミドル層のお客様とのコミュニケーション
- シニア人材を活用する課題・問題点
- シニア人材の活用ノウハウがない
- 定年前の働き方や肩書・責任と定年後のギャップに悩む
- シニア人材、一人ひとり個性が強く孤立化
シニア人材を活用するには、。一人ひとりにあったマネジメントや職責を定め、モチベーションを維持させることが重要となる。そのためには、シニア人材に向けた人事制度や評価制度を見直したり、新設することも必要となる。また、シニア人材との話し合いを多く持つことで、価値観を共有することで社内での孤立化を防がなければならない。シニア人材が待つ、自社・他社での経験は、お金では買えないものであるものの、現存の社員や雰囲気やルールと融合させることで、はじめてシニア人材活用が可能となる。
サーチファーム・ジャパンのサービス
サーチファーム・ジャパンでは、「シニア・ミドルエキスパート」エグゼクティブサーチ・ヘッドハンティング・採用支援において、確かな実績と支援体制がございます。
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参考・引用
・厚生労働省 「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針」の策定について(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000200616.html)
・高齢者雇用 参考資料 内閣官房人生100年時代構想推進室(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/dai7/siryou1.pdf)
・シニアの生活意識調査2017(http://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_171220.html)
・2018年の転職市場予測「ミドル人材の求人動向」について(https://mid-tenshoku.com/enquete_consultant/report_49/)