日本における先端技術とは、一芸に秀でたものだけでなく、「簡単にまねできない」「追いつくことができない」技術であると言えます。
企業にとって、先端技術を率いていくこと、持続させること、次につなげることは、まさに命運をかけた闘いでもあります。
先端技術を担う人材は、まさに、会社だけでなく日本の宝ともいえる存在です。
技術の方向性を示すキーワードの抽出と分類
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一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会
「技術ナビゲーション2016」を発刊〜 87のキーワードによる動向予測とIoT/CPSの適用検討 〜より
<代表的な先端技術のご紹介>
ブロックチェーン
- 金融とテクノロジーの融合が、最近は、注目を集めています。フィンテック、Fintech とも呼ばれます。
- その代表的なものが、ビットコインをはじめとする「仮想通貨」です。
- 仮想通貨が、サービスとして確立するために必要な技術が、ブロックチェーンと呼ばれる技術です。
- ブロックチェーンとは、取引技術ともいえます。取引のデータの履歴を「トランザクション」と呼びますが、複数のトランザクションをまとめたものを「ブロック」と呼びます。このブロックが連なるように保存された状態が「ブロックチェーン」です。
- ブロックチェーンの特徴は、一元管理されることなく、分散管理されます。したがって、取引履歴が、消滅・改ざんされることがないのです。
- ブロックチェーンに記録されている全ての取引履歴は、だれでも「Blockchain.info」から確認できるのが特徴です。「取引件数」「取引されたビットコインの量」「ハッシュ値」「前ブロックのハッシュ値」を時系列に確認できます。
- ハッシュ値によって暗号化されているため、取引の「履歴」として記録されても、「内容」の詳細は確認できません。しかし、時系列がオープンになっていることで、不正が行われにくいのです。
- ブロックチェーンの課題は、分散管理されるが故の処理速度といわれています。その一方で、「分散型」と「不可逆性」の特徴が、脚光を浴びているのです。
ブロックチェーンは、管理者を置かないという特徴があります。その一方で、プライベートブロックチェーンでは、必要に応じて管理者を置いてサービスを提供する形態も考えられます。ブロックチェーンの活用は、金融サービスに大きなメリットをもたらすと言われています。
人工知能・AI
- 「人工知能・AI」とは、二つの立場があるといわれています。人間の知能そのものをもつ機械を作ろうとする立場,もう一つは,人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場です。
- マッカーシー教授(アメリカ合衆国の計算機科学者で認知科学者)がまとめたFAQ(質問と回答)形式のAIの解説によれば...
- 人工知能・AIとは、知的な機械,特に,知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術である。
- 知能とは,実際の目標を達成する能力の計算的な部分です。
- 人工知能・AIは、人の知識をまねるだけでなく、機械に先に問題を解決させることで、他人や自分自身がどうするかを調べることもします。知的に解決しなければならない問題そのものについて研究しています。
- 人工知能の歴史と未来(?)
- 1989 コンピュータ制御による運転によってアメリカ大陸を横断(2800マイル)しました
- 1989 人工株式市場の構築を行った
- 1989 World Wide Webを開発
- 1990 遺伝的プログラミングを開始
- 1990頃 強化学習によって強くなるバックギャモンのチャンピオンレベルのプログラム
- 1992 映画「2001年宇宙の旅」ではこの年に人工知能を搭載したコンピュータHAL9000が稼働
- 1995頃 データマイニング技術の誕生
- 1997 チェスプログラムがチェスチャンピオンに勝利
- 1997 第1回のRoboCupが開催
- 1999 ロボットペットが発売
- 2003 手塚治虫の「鉄腕アトム」の中でアトムが開発
- 2112 藤子・F・不二雄の「ドラえもん」が作品中で製造
- 2xxxx 人間と同等の知的活動が可能な人工知能が完成
- 特化型人工知能(Artificial General Intelligence:AGI)と汎用人工知能(Growing Artificial
Intelligence:GAI)
- 特化型人工知能(AGI)は、個別の領域に特化して能力を発揮する人工知能。
- 汎用人工知能(GAI)は異なる領域で多様で複雑な問題を解決する人工知能。鉄腕アトムも「汎用人工知能」の1つ。
- 機械学習と深層学習(ディープラーニング)
- 機械学習とは、大量のデータを処理しながら「分け方」を自動的に習得すること。
- ディープラーニング(深層学習)とは、「分けるための軸を自分で見つけることができる」もの。
- 一説によれば、2045年になると人工知能が人間の頭脳を超え始めると言われています。(イーロン・マスク:テスラモーターズ 会長兼CEO)
今後、人工知能・AIは、私たち社会の中に、ますます進出してくるでしょう。時には、私たちの人間の仕事も奪われてしまう。それでも、その流れを止めることは、もはやできません。
私たち社会が、人工知能・AIを求めているのですから。
デジタルビジネスコンサルティング
- デジタルビジネスとは、ITを活用した競争優位性の高いビジネスモデルのこと。IoT、オムニチャネル、AI・人工知能、全く新たなビジネスモデルが該当します。
- IoT(Internet of Things)とは、コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。
- オムニチャネルとは、店舗やイベント、ネットやモバイルなどのチャネルを問わず、あらゆる場所で顧客と接点をもとうとする考え方やその戦略のこと。
- 人工知能。AIとは、人間の使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムなどのこと
- 全く新たなビジネスモデルとは、従来の概念にとらわれず、イノベーションを実現していくこと。今まさに、新しいビジネス業態が生まれつつあります。
- デジタルビジネスに取り組む目的は、「新規ビジネスの創出」「現行ビジネスの売上の拡大」「顧客基盤の強化」
- IT部門と経営部門や本業の事業部との連携強化必要になります。お互いの業務の重なりが多くなり、他部門のことをよく知り、意見をぶつけ合うことでさらに理解し合う体制・環境が必要です。
- デジタルビジネスコンサルティングとは、デジタルビジネスに関する先端技術を活かした、新しい事業を生み出すイノベーションを実現するための支援ともいえます。プロジェクトの発足から、経営・事業・技術を支えます。
デジタルビジネスコンサルティングは、深い専門知識と経験。幅広い見識とリーダーシップが求められます。5年後、10年後を見据えたデジタルビジネスプロジェクトをまとめていくことになります。
だからこそ、人の力がプロジェクトの成功を左右するキーポイントなるのです。
DevOps(デブオプス)
- DevOps(デブオプス)は、ソフトウェア開発手法の一つ。開発 (Development) と運用 ( Operations) を組み合わせた言葉。
- 開発(Development)と運用(Operations)が協力し、ビジネス要求に対して、より柔軟に、スピーディに対応できるシステムを作り上げるためのプラクティス。
- 通常、開発部門と運用部門との間には、目に見えない壁が生じている。お互いの立場や責任の違いから、摩擦や衝突が発生することも。問題解決のためには、測定、共有、自動化、コラボレーション、そしてカルチャーが必要とされる。
- DevOpsは、テクニカル面だけでなく、組織や文化を含有する大きな存在である。
- DevOpsはツールではなくプラクティス(取り組み)です。
- DevOpsエンジニアに求められるものは、自己の専門スキルの深さです。DevOpsは、一人では成し遂げられません。深い専門スキル・テクニカルスキルを持ったエンジニアを専門ごとに複数集合して実現されるものです。複数の専門エンジニアが組織や文化の土台の上で集まり融合していくものです。
DevOpsを進めていくにあたり、大事なのは、大きなプランを立ててること。短期的に実現できるものではありません。組織や文化の土台を再構築しなければならないことが多いので、プラン作りが重要なポイントとなります。
また、影響力のある多くの人を巻き込むこと。経営・経理・マーケティング・営業・技術と専門的なスキルを持った方々を巻き込み、必要があるときは、外部のメンバーを取り入れて進めていく必要があります。
コグニティブ・コンピューティング
- コグニティブ・コンピューティングとは、AIが人間の脳を模倣しているのに対し、コグニティブ・コンピューティングは人間がより良い判断ができるようアドバイスをしたり、人間の能力を補強したりするなど、人間をサポートすることを目的としています。
- コグニティブ・コンピューティングとは、あたかも人間のように自ら考えて、学習し、人間の意思決定をサポートする材料を提示してくれるシステムのことをいいます
- 自然言語や画像、音声、人の表情などといった非構造化データも理解することができます。
- 答えがひとつとは限らない問いかけに対して最善の答えを見い出すとか、曖昧な問いかけに対しても答える能力を持っています。
- ディープラーニングの機能を併せ持ち、フィードバックを受け取ることで、自ら学習していくこともできます。
- 医療の現場でコグニティブ・コンピューティングで蓄積された情報を分析し、症状から最適な治療法を導き出し、医師が参考にしながら最適な治療方針を立てることに役立てます。
- ユーザーの性格や嗜好などを分析して好みに合う商品をおすすめする機能を提供できます。
- コールセンターでのメールや電話での受け答えなどの業務をおこなうこともできます。
コグニティブ・コンピューティングは、人間から仕事を奪ってしまうものではなく、決定するのはあくまでも人間という考えのもとに設計されており、人間がより良い判断ができるようサポートしてくれる性質を持っています。
Ai(人工知能)とよく対比されますが、コグニティブ・コンピューティングは、産業革命に匹敵する大きなことが起こると言われるほど大きな期待が寄せられており、注目の分野です。
コネクティッドホーム
- コネクテッドホームとは、従来のホームオートメーションにIoT技術を用いて、家電や防犯設備、各種モバイル端末などを常時コンピューターネットワークで接続した住宅。音声認識で家電を操作したり、外出先から住宅内外の状況を把握する技術のことである。
- 日本品質の新たな「暮らしのIoT」サービスを実現する「コネクティッドホームアライアンス」への参加企業が70社を超え、本格的に活動し始めている。
- 「コネクティッドホームアライアンス」では、家ナカにおけるサービスと、家やクルマ、オフィスとの連携サービス、高齢者ケア、宅配、民泊などについて研究活動を行なう「住まい研究会」、プラットフォームやサービスの技術的連携や、それに伴う技術的セキュリティ対策などの研究活動を行なう「オープンシステム研究会」、データ分析で得られる活用方法、プライバシー保護対策などの研究活動を行なう「データ活用研究会」を設置。PoCを繰り返し実施することで、商用サービスとしての課題を洗い出し、具体的なサービス創出につなげる活動を目指している。
- そのほか、産官学が一体となって開催する定期研究会やサービス開発に向けた実証実験、定期レポートの発行、最新テクノロジの見学ツアーの開催、Webサイトを通じた情報発信、コネクティッドホームイベントの開催なども予定している。
- さまざまなものがつながり、簡単に、安心して使えることが重要である。
- 人の生活をより良く、楽しく、豊かにするものである。
- コネクティッドホームアライアンス
様々な業界・企業が、得意な技術を持ち寄り、共同体として新しい技術を生み出し、生み出そうとしている。「コネクティッドホーム アライアンス」は、この現状を打開し、「生活者視点」と「ジャパンクオリティ」を保ちつつ
革新的な“暮らしのIoT”を構築するために設立された産官学一体のアライアンスです。
FinTech
- FinTech = Finance(金融)× Technology(技術)
- FinTechは、「金融機関のIT活用」ではなく、「IT企業が金融分野においてサービスを展開」することである。
- 主体が独立した「IT企業」だからこそ、各金融機関の壁を取り払い、横断的な金融サービスが生み出せる。
- 金融機関と参入しようとするIT企業が、役割と責任を分け合って融合することでFinTechが実現する。金融機関の自前のサービスの拡充ではない。
- 金融機関の視点から、消費者・利用者の視点からサービスを分類する。「お金を管理する」「お金を増やす」「お金を集める」「お金を送る」「お金を交換する」「お金を調べる」
- 例えば、仮想通貨は、「お金を交換する」の分野に入る一つの手法である。
既に、COINCHECK、bitFlyer、Freee、MFクラウド、ZAIM、MoneyFORWARD など、目にしたことのあるサービスが世に出てきています。まさに、FinTechのサービスです。どれも、金融機関ではなくIT企業が金融サービスを提供しています。今後もますます注目される分野です。
第5世代移動通信システム(5G)
- 第5世代移動通信システム(以下、5G)とは、10Gbps以上の通信速度、エンドツーエンドで1ミリ秒の低遅延、99.999%の信頼性を目標とする次世代大容量通信である。
- 急増し続ける通信トラフィックへの対応が課題となっており、無線周波数帯の確保が重要視される。
- 通信スピードが高速化される代わりに、より高い周波数帯のマイクロ波の採用により、電波の直進性が極超短波より高まることから、携帯電話基地局の影では電波が届きにくくなり、多数の携帯電話小型基地局(マイクロセル)を数十メートル単位で設置する必要があり、携帯電話端末の消費電力が増える事が予想される。
- 高速・大容量化、超多数端末接続、超低遅延、超高信頼性が、要求条件とされる。
- 5Gモバイルネットワーク技術・ネットワークのソフトウェア化を中心に検討されている。
移動通信システムの高速化、大容量化が図られ、スマートフォンの普及に伴うトラヒックの増加が現在から将来にかけての大きな課題となっています。さらなる、大容量化・高速化技術は、今も求められ続けている技術です。
ウェアラブルデバイスの本格的な普及や4K/8K動画に代表される動画コンテンツの大容量化、娯楽や宣伝のみならず、セキュリティ、医療、教育も含め、高精細静止画・動画コンテンツのニーズはより一層高まる傾向にあります。
数年前では、夢のような生活が、今や現実化され、当たり前のように利用され、さらなる技術を追求する流れは、止めようがありません。
サーチファーム・ジャパンのサービス
サーチファーム・ジャパンでは、「先端技術分野」エグゼクティブサーチ・ヘッドハンティング・採用支援において、確かな実績と支援体制がございます。
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参考・引用
・「ブロックチェーン」とは?今さら聞けない基礎知識を解説 (ferret-plus.com)
・What's AI(ai-gakkai.or.jp)
・【5分でわかる】人工知能(AI)とは?概要や種類をわかりやすく解説(www.sejuku.net)
・いまさら聞けない「DevOps」(atmarkit.co.jp)
・コグニティブ・コンピューティングとは?AIとの違いは?(wingarc.com)
・かぎりなくオープンな規格でホームIoTを推進。東急電鉄やパナソニックらが実現に向け活動を本格化(pc.watch.impress.co.jp)
・ここらで世界一わかりやすく「FinTechとは何か」を説明しよう。(hajipion.com)
・第5世代移動通信システム(ja.wikipedia.org)
・第5世代移動通信システム「5G」とは?(http://5gmf.jp)